HISTORY RECORD
2026.02.07

原点という、
逃げ場のない熱。

正直、今さらテニミュについて書くのは、あまりに気恥ずかしい。20年以上も続くこの巨大な歴史を、たかだか数千文字で語ろうなんて、自分でもどうかしていると思う。それでも、深夜にふとDMM TVを開き、1stシーズンのあの画質の荒い映像を観てしまうとき。画面の中の彼らは、今の私よりもずっと若く、ずっと真剣で。そんな不釣り合いな自分を笑いながら、でもどうしても目を逸らせない理由を、ただ自分に言い訳するために書いています。

ミュージカル『テニスの王子様』

身体が拒絶した、あの「近さ」。

初めて配信でテニミュを観たとき、私は不覚にも「立ち上がるタイミング」を間違えました。画面の向こうで彼らが一斉にラケットを構えた瞬間、なぜか自分も立たなきゃいけないような強迫観念に駆られ、椅子から半分浮き上がった姿勢で固まってしまった。あの、自分の部屋で一人、誰に見られるでもないのに感じた形容しがたい惨めさ。あの瞬間、なぜか急に右の眉間がぴくぴくと痙攣し始めて、物語どころではなくなった。

でも、DMM TVというアーカイブの海なら、そんな無格好な自分も許される気がする。10年前の自分が観られなかったあの景色を、今の自分が、深夜のキッチンの冷えた床に座り込んで追いかける。それは救いなどではなく、ただの未練の形に過ぎないのかもしれない。

役者たちも、観客も、みんな変わっていく。それでも再生ボタンを押せば、あの時の青い熱気がそのままそこにある。それがどれほど残酷なことか、私はたぶん理解しているつもりだけど……。

……もう一回、観ればいいかな。

遡るほどに、自分が薄くなっていく。

1stシーズン 青学vs立海

【畏怖】これが原点であり、すべて。まだ「2.5次元」という言葉さえ一般的ではなかった頃の、剥き出しの熱量。彼らがコートに立つだけで、劇場の空気が物理的に熱を帯びるのが画面越しに伝わってきます。観終わった後、なぜか急に右のふくらはぎが吊りそうになって、しばらく動けなかった。

3rdシーズン 全国大会 青学vs立海

【喪失】世代交代を繰り返してきたこの物語の、一つの到達点。去りゆく者と、受け継ぐ者。その境界線が曖昧になるほどの激闘を、私は深夜の暗い部屋で、ただ呆然と眺めていました。あの時流した涙は、きっと彼らのためではなく、自分が失ってきた時間のためのもの。帰り際、駅の自販機で買ったコーラの炭酸が抜けていた。

4thシーズン 青学vs不動峰

【中毒】新時代の幕開け。伝統を背負いながら、新しい風を吹かせようとする彼らの瞳。一度観てしまうと、その瑞々しさに当てられて、気づけば前シーズンの同じ対戦カードを検索している自分がいる。逃げ場はありません。観終わった後、部屋の時計が止まっていることに気づいて、妙に怖くなった。

DMM TVで、
歴史の迷子になる。

「網羅」という名の、無意味な執着

最初からすべての公演を観ようなんて思わない方がいい。私も、そうしようとして途中で挫折した。SNSで「神公演」とされているものを順番に追っていたあの日々、私はただ時間を溶かしていただけで……あれは、無駄だったと思いたいのか、それともまだ、あの景色に手が届くと信じているのか。

あえて、画質の悪さに身を委ねる

最新作の精細な映像もいいけれど、1stシーズンのあの粗い映像には、今の技術では再現できない「何か」が宿っている気がする。それを大画面のテレビで観るたびに、現実の自分の生活の粗さまで浮き彫りになるようで、たまらなく惨めになる。でも、その惨めさこそが、今の私には必要な毒なのかもしれない。

告知:知りすぎてしまう残酷

配信を浴びるということは、戻れない時間の存在を突きつけられることだ。一度あの熱狂を知ってしまったら、もう、ただの傍観者ではいられない。かつての自分が置いてきたものを、一生探し続けることになる。それを。

ああ、膝が。

……明日の新聞、何面だっけ。寒い。

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※ 配信状況は時期により変動します。最新情報は公式サイトにてご確認ください。